幼稚園で作った鉛筆立て

父の机の一角にずっと置かれているものがあります。私が幼稚園で作った鉛筆立てです。

緑色のプラスチックでできた円柱形の容器の側面に、幼稚園児だった私が何色ものクレヨンで描いた絵がぐるりと巻かれてあります。

書いたときのことは全く覚えていません。でも幼いころからずっと父の机に置かれていて、私が贈ったものだと認識していました。きっと父の日かなにかのプレゼントにと幼稚園で作らされたものでしょう。

父の机が新しい机になっても、変わらず机の上にありました。

懐中時計と国会議事堂で買ったという黒い革の札入れと古い黒い革に銀色のチャックがついた小銭入れと。私の鉛筆立て。

父はほとんど意識していないのですが（使えるからそのまま使っている的な（笑）、私は個の鉛筆立てを見るたびにちょっと照れくさいような嬉しい気持ちになります。

この鉛筆立てか別の幼稚園時代に作ったものが、きっと人生で最初の父親へのプレゼントだったんでしょうね。